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飲食向け接遇サービス

リピーターになっていただける仕組み

今回はリピーターになっていただける仕組みについて考えていきましょう。
前回、接遇サービスについてお伝えしましたが、接遇の内容の前にリピーターになっていただくための仕組みについて見ていきます。

お客様がリピートしてくださるということは、その店舗に何かしらの価値を感じ「心に残った」ということです。「心に残る」というのは、一過性のものではない感情が芽生えるということなんですね。

勿論、「割引」や「ご来店プレゼント」なども価値の一つですので喜ばれます。
店舗全体のサービスとして行なうと、一時の集客には有効でしょう。
しかし接遇として個人の印象にはあまり残らないものです。
ですから、また違うお店がそれらを行なうとお客様はそちらに行ってしまうのです。

上の図は商品の購買にあたるお客様の視点を表しています。

機能価値は商品そのものの価値です。
例えば「国産豚肉の切り落とし」という商品があったとします。
ある店では「国産豚肉の切り落とし」100g148円、ある店では100g110円
というようなことです。
店舗側がこの「機能価値」だけを重視すると、多くの場合価格競争になりがちです。
お客様はより安いお店を選んで行くことになるでしょう。

次の「機能に対する付加価値」です。
こちらは例えば先ほどの豚肉の切り落としで見てみると、「〇〇産豚肉の指定販売店の切り落とし」とか「豚の〇〇部位の切り落とし」などがあたります。
贈答向けに綺麗にパッケージされたモノもあるかも知れません。燻製豚肉の切り落としなどもそうですね。
そのお店の商品に対するこだわりのあるものを指します。
こちらは他店舗との差別化にもなりますし、お客様ターゲットも絞れるでしょう。

ただこの価値ばかりを重視すると、コストがかかります。
また店舗を営業し続けるには、同じものを同じように提供するだけでは、他の店舗が新しい価値のある商品を出すとそちらに行かれてしまう可能性もあります。

「割引」や「来店プレゼント」などもこの「機能に対する付加価値」に入ります。
これらを重視しすぎると、先の「機能価値」を下げてしまう結果になる可能性もあるので行なうには注意が必要です。

では例えば、「機能価値」「機能に対する付加価値」ともに同じ商品を扱っている店舗があると、後は何を基準にお客様はお店を選ぶでしょうか。
最後の「情緒価値」が高いほどリピーターに繋がると言われています。

それらの価値を提供した結果、お客様がどうなるのかというイメージを与えることです。自店にご来店いただくことで、お客様にこういう良いことがあるんですというベネフィットです。

先ほどの豚肉の例で考えてみましょう。
・そのブランドの豚肉を使ったお料理レシピを紹介する
  ⇒結果、購入した人がそれを使用し誰かを喜ばすことができる
・その豚肉を使ったお料理を作りその場で試食販売をして柔らかさや油のうま味を実感していただく
  ⇒結果、この美味しいお肉を皆で家でゆっくり(手軽に)沢山いただける

ということがあげられるでしょう。

飲食店に置き換えると、

「機能価値」⇒ 例;焼き肉を安く頂ける
「機能に対する付加価値」⇒ 例;こだわりのブランド牛を店舗の特製タレで炭火でいただける、こだわりの調理法で頂ける
「情緒価値」⇒ 例;上記の「機能に対する付加価値のある商品」をお手頃(商品価値)にラグジュアリーな空間でいただくことにより、非日常な気分を味わえる。

とすると理解していただきやすいのではないでしょうか。
この「情緒価値」が大きければ大きいほど、継続顧客がつきやすいと言われています。
この「情緒価値」には様々な表し方がございます。
先ほどの「機能に対する付加価値」を高める役目ももっていますので、「割引」などを行なう際にはこの情緒価値と組み合わせて行なうと効果的です。

ぜひ、自店の取り扱っているサービスをこの3つに置き換えて、改めてお客様に与えるベネフィットを考えてみましょう。
自店でなければいけない理由、自店だからこそこういう価値を与えられるということをスタッフの皆様に再認識していただくとよいでしょう。
その上で接遇力をつけると、早期のリピーター向上に繋がるでしょう。

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お客様に幸せな時間を与える飲食店向け接客サービスマナー

このタグではお客様に幸せな時間を与える飲食店向け接客サービスマナーを、少しずつお伝えしていこうと思います。
わたくし上田は、酒類販売と飲食を商っている家に生まれ、自身でもショットバー経営や日本料理店女将として20年以上の飲食サービス経験を経ております。
その中で培ってきた経験を型として、分りやすく多くの接客者に伝えたいとマナー講師になりました。
そして接客に従事されている皆様に、接客サービスの楽しさを知って欲しいと考えております。

そもそも接客サービスマナーとは、何でしょうか?
研修時にこの質問を投げかけると、ほとんどの方が「う~ん」と考え込みます。
では、「接客サービス」と「マナー」を分けて考えてみてはいかがでしょう。

まず「接客サービス」のサービスです。
「service」サービスの意味は、名詞では仕える・奉仕・世話、動詞では情報を提供する・修理を行なう、などがございます。
元々はラテン語の「servus」奴隷という言葉が語源です。
それを考えると現在では、主従関係のある中での奉仕ということではないでしょうか。主従関係というのは、何かしらの対価が発生します。


そして「サービス」には、「人」「モノ」「金」がするサービスがあります。
「モノ」がするサービスは例えば電車で移動を提供するなどが挙げられるでしょう。
「金」は所謂、割引などがそれに値します。よく「サービスしとくよ」とおまけしていただいたりしますよね。
そして「人」ですが、提供しようと決めたものを人が人に提供することです。
それを接客サービスと言います。

接客サービスは提供する方法であったり、行動をさしますので、無形のものだということは、ご理解いただけるでしょう。
ちなみに提供するものには様々ありますが、代表的なものが以下のものです。

・モノを提供する
・情報を提供する
・技術を提供する
・快適さなど空間を提供する

では、「マナー」をみていきましょう。
「マナー」とは、人を不快にさせないための思いやりを行動にうつしたものです。
ビジネスにおけるマナーは、人間関係やその社会を円滑に保つための作法や立ち居振る舞いとして捉えられています。
日本の接客サービスでの「マナー」は、hospitalityホスピタリティ精神も含まれた意味でよく使用されます。「おもてなし(遇)」という言葉に繋がりますね。
厳密に言うとそれぞれ同じものではございませんが、広義の意味で捉えられていることが多いです。
「マナー」「ホスピタリティ」については、別の機会に詳しくご説明いたします。


人は同じ時間、同じ場所にいたとしても、様々な状況があったり多様な価値観をもっているものです。
何かを提供するにあたり、対象の人が不快にならない快適な時間を過ごすためにはどうすれば良いのかを考えて行動しサービスすることが、「おもてなし」です。
お客様全体プラスこのお客様にとってどうなのかを考えることが大切なのです。

その行動や立ち居振る舞いを表したものが「接客サービスマナー」と言われるものです。別の言葉では「接遇サービス」とも言われます。今後はこの接遇サービスという言葉を使用いたします。

勿論、多くのお客様がいらっしゃいますが、一人一人のお客様を大切にとの考えを実践するだけで、感動が繋がっていきます。

私はよく接遇研修でお伝えすることがあります。
接客サービスはお客様も求めている時点である程度想定しているサービスがあります。ですから、「お客様に不快な思いをさせず、何かを提供する」ということはお客様にとっても当たり前にしてくれるものと思っているサービスです。
言い方は悪いかも知れませんが、できて当たり前であってそれほど心には残らないものです。

しかし接遇サービスは、「また来たい」「人に紹介したい」と思っていただけるのです。予想外の満足感、感動、強い信頼感が生まれるためです。
そのためには、自分をもてなしてくれていると感じていただくことが重要です。

お客様も多くの中の一人だということは認識していらっしゃいます。しかし、その中で個として扱われていると感じていただくと、潜在的なお客様心理が満たされ満足度が向上します。

だからといって難しいことは、ございません。
接客サービスにチョットプラスするだけでよいのです。
まずは、目の前にいらっしゃるお客様を多くのお客様の中の一人ではなく、個として見ることからいたしましょう。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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